ビーズドール 光源氏


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右から

源氏:今年も藤の花が咲いたね…


右斜め前から


正面から


左斜め前から


左から


後ろから


今回は満を持しての(?)光源氏です!
装束は右大臣邸で開かれた藤の宴での源氏をイメージしました
(1枚目の写真に写っている藤の花もビーズで作りました(笑)…藤に見えてますよね!?)。
「桜の唐の綺の御直衣、葡萄染の下襲、裾いと長く引きて」というアレです。
光源氏といえば、やっぱりコレでしょう!!
「直衣布袴(のうしほうこ)」「大君姿(おおきみすがた)」といわれる着方ですね!
正装である束帯ではなくて、略装の直衣姿に冠をつけて下襲を着るという、
高貴な身分でなければできない服装です。
源氏はこの格好で政敵の家に乗り込み、他の出席者達がきちんと袍を着ている中で、
藤の花の美しさを気圧すほど(原文にそう書いてある)目立ちまくりました!
ド派手な勝負服です。

直衣の色は桜襲なので、普通は表白・裏赤ですが、
重ね方には諸説あるようで、私も表白・裏紫という重ね方を以前どこかで(…)読んだことがあります。
白赤の桜襲は、画像検索すればあちこちで見られますので
(当サイトでも、明石の姫君と女三の宮で白赤の桜襲を作っています)、
今回はちょっとひねって白紫にしてみました!

紫のゆかりと誰よりも深い縁を持っていることもありますし(笑)
源氏にこそ紫を着せてみたいというのもありました!


なお今回、実際に紫のビーズで編んだ上から、
白っぽいビーズを重ねて下の色を透かす(重量的な意味で)挑戦的な構造にしています。
袖も中身を入れて2重にしてます!
マトリョーシカ方式(絵として描いてあるだけ)ではありません!!
明石の姫君の時にも似たようなこと(袴の色を細長に透けさせる)をやりましたが、
段違いの攻撃性(!)です。
使うビーズの色を見直してさらに透け具合が上がるようにもしています
(後ろからの写真が一番透けている様子が見やすいと思います)。

柄は光源氏らしくそれなりの豪華さを出したかったので、
地紋に上紋を重ねる二陪織物風にしてみました。
見づらいかもしれませんが、地紋は立涌(たてわく)のつもりです。
上紋は…まあテキトウな丸紋です(汗)

直衣の構造、ちょっと頑張ったんですよ〜(誰も聞かなくても書く!(笑))
ちなみに、源氏物語の時代は糊でガチガチに固めない萎装束(なえしょうぞく)なのですが、
材質の性質上(ガラス!)、強装束(こわしょうぞく)風のシルエットにまとめました…

襟と袖口と裾のあたりは、上側の布地が2枚重ねになるために白っぽく見えるようなので、
配色でそう見えるようにしました(結局マトリョーシカ)。
帖紙(たとうがみ)を突っ込んでおく、お腹の前辺りのたわみ部分も作ってみました
(帖紙も入れてあります!写真3枚目をご覧ください)。

裾の襴(らん)の部分は形をきれいに見せるために
…コレはビーズをやる人でないと分からない話ですが、
身頃部分の縦方向に編んだペヨーテステッチに、
横方向に編んだ襴部分のペヨーテステッチを繋げるという、
大変アクロバティックな(?)作り方をしました!
書いたところで、何をしたのかさえ伝わっていない気もしますが(汗)、
非常に面倒な繋げ方です
(同じ方向同士につなぐのは簡単なんです。袖を輪にしたり、
編みやすい幅に分けて編んだパーツを横に並べてはぎ合せたり…いつもやっています)。

背中側、腰の「格袋(かくぶくろ)」や「はこえ」などと呼ばれる部分…
中に隠すのか、出しておくのか…扱いに困りましたが、外に見える形に付けてみました
(これで合っているのでしょうか…分かりません)。

冠の飾りの「纓(えい)」は、垂れ下がる感じに作りました。
ひな人形のおだいりさま(天皇)のものはまっすぐ上に向いて立っていますが、
普通の人用(?)は垂れ下がり型です。


図案と材料はこちらで紹介します。




2015年6月25日公開



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